台湾の高山には湖があまりありませんが、敷地内の雪山と翠池山の鞍部の近くには標高が最も高く、人々が誇りとしている「翠池(標高3,530m)」があります。その他、翠池の北西約700mの下翠池、志佳陽大山の南東の斜面の瓢箪池(別名:乳羊池)、武陵四秀の新達池、品田池などがあります。
広大な敷地面積を持つ雪霸国家公園の気候は、暖温帯、冷温帯、亜寒帯に及んでいます。気象分区においては、敷地内の北西の山岳地帯と中部西側の山岳地帯を2つの気候帯に分けることができます。北西の山岳地帯に属する大安渓流域、大漢渓上流を含む雪山の主尾根の北に位置するエリアは、主に南西モンスーンと台風による豪雨の影響を受け、年間降水量は約2,500mm以下となっています。雪山の主尾根の南、思源唖口の西に位置し、中部西側の山岳地帯に属する大甲渓流域の年間降水量は地形により大きく異なります。雪霸国家公園全体の年間降水量は平均約1,500mm~3,000mmで、5月~10月に降水量が多くなります。
雪霸国家公園の気候は山岳地帯の地形、稜脈の分布、渓谷の水蒸気の影響を受けやすく、四季の気候の変化が非常にはっきりとしています。春雨が降る初春や梅雨の時期になると、山岳地帯は霧雨が降ったり一日中霧で覆われたりします。夏は台風や対流性の驟雨が襲います。秋は高気圧に覆われて清々しくなりますが、大陸から冷たい気団が南下してくると気温が急激に下がり、早朝は霜で覆われ、時々雪が降ることもあります。極寒の冬は積雪により通行が困難になり、凍結や雪のために閉山されることも多いです。
山岳地帯の天気は日変化も大きく、夏に午前は晴れ渡っていても、午後になると雲や霧に覆われることが多く、降水確率は50%以上になります。夜は急激に冷え込み、特に3,000m以上のエリアでは気温が0℃前後になり、最も暖かい7月でも零下3.2℃の記録があります。